ガバナンス
コーポレートガバナンス
ガバナンス体制
当社では経営の最高意思決定機関である取締役会において闊達な議論を通じた意思決定や経営に対する監督機能強化を行っています。取締役会は取締役8名(2024年3月末時点)で構成され、毎月経営上の重要事項の付議、業務執行状況の定期報告を行います。
また、意思決定の迅速化、監督機能および業務執行機能の強化を目的に、取締役および外部アドバイザーなどからなる経営会議において、経営の基本政策・経営方針・経営計画に関わる事項ならびに各部門の重要な執行案件については、事前に十分な審議を行い、意思決定の適正化を図っています。
また親会社であるアスコのグループ企業会議には、各社の社長が出席し、各社の状況報告がなされるとともにアスコグループとしての企業戦略・運営に関する議論・意思決定などが行われています。
監査体制
当社は、税理士の資格を有する社外監査役(非常勤)を含む2名(2024年3月末時点)が会計監査を行い、財務情報の適正を検証しています。業務の状況に関する事項については、株主の監督権限が強化され、取締役の職務執行における法令などの遵守状況を監督しています。株主は、取締役の目的範囲外行為に対する取締役会招集請求や請求株主が取締役会で意見を述べることが可能です。
コンプライアンス
総生産のおおよそ34%海外輸出比率が約24%の当社にとって、国内はもとより海外の法規制や社会規範などを遵守することは、企業として全ての事業活動において最優先とすべき事項であり、全社でコンプライアンスを徹底しています。なお、2023年度における重大な法令違反などはありませんでした。
贈収賄防止
DMCグループは、倫理的で誠実な行動を実践し、各国・各地域で適用される贈収賄防止関連法令と社内規程の遵守を徹底します。
当社では、「基本方針」受けて、「贈収賄防止規程」を制定の上、次のことを禁止しています。
- 役職員などは、直接的・間接的を問わず、いかなる相手との間での、不適切な職権行使や活動の実施を目的とする、賄賂、キックバックなどの申し出、要請・要求・受領・供与などを助長する行為を禁止する。なお、明文の法令にそった行為は、この限りではない
- 2023年4月 国内外を問わず、公務員及びそれに準じる者(以下「公務員等」という。)に対し、接待や贈答を行ってはならない。国内及び海外現地の社会通念に照らして、常識的な範囲内で例外的に行う場合、適切な承認手続による
- DMCグループは、得意先・仕入先などの取引先に対して、本基本方針に沿うことを求める
また贈収賄行為の未然防止策として、接待や贈呈など交際費支出時の事前許可申請や、実績報告を義務付けるなどのルールを周知徹底しています。また、定期的なリスク評価や記録を行い、疑いのある事象がある場合は、社内の通報制度を活用するように求めていきます。
内部通報制度(ホットライン)
ディ・エム・シーでは、職場で生じた問題などさまざまな通報・相談について、問題の早期発見・解決を図るために社内外の相談窓口を設置し、全ての従業員がいつでも利用できるようにしています。通報・相談の解決にあたり、事実確認の上、是正処置や指導を行っています。対応後に相談者が不当な扱いを受けていないか確認し、相談者の保護にも努めています。2023年度に寄せられた通報・相談は2件でした。
また、業務上のコンプライアンス違反・各種ハラスメントに関する相談・通報のしくみを構築するため、社内(人事部・総務部)および社外(アスコ総務部)に相談窓口を設置しています。
インドネシア工場においては、コミュニケーションフォーラム※を設置し、社則に定められた報告プロセスで独自の通報制度を構築しています。通報制度としての役割のみならず、従業員間および管理職とのコミュニケーションの場としても活用されています。
※ コミュニケーションフォーラム:120名程度の従業員が集まり、担当部門長が会社の現状を報告するとともに、経営層からも共有すべき情報を通達して、質疑応答を行うミーティング
コンプライアンス研修の実施
ディ・エム・シーでは、コンプライアンス研修を通じて、従業員のコンプライアンス意識の醸成を図っています。2023年度は、外部講師による管理職向けの人権研修、各エリアにおけるハラスメントや人権に関する研修を8回実施しました。インドネシア工場においては、コーポレートマネジメントシステム部門が定めているコンプライアンスに関する目標が遵守されているかを、月1回の月例報告会で確認し、コンプライアンスの推進を図っています。
情報セキュリティ
お客様からお預かりした情報や個人情報の重要性を認識し、社内に適切な管理体制を構築するとともに、従業員一人ひとりへの教育の実施を通じて意識や知識を高め、情報管理の強化に努めます。
当社では、適切な情報管理を行うため、「情報管理規程」および「個人情報保護管理規程」を制定しています。これらの規程に基づき情報システム管理者および個人情報保護管理者を任命し、これら管理者のもと情報管理およびセキュリティ対策を実施しています。2023年度より、全社員のITリテラシーに対する認識度チェックを2024年度上半期までに3回実施し、また、同年度下半期では、セキュリティに関する教育を全社で推進する予定です。これらにより、全社員に向けてISO27001の重要性やしくみの認識の徹底を高める活動を実施していく予定です。当社は、セキュリティや緊急時の対応を含むネットワークの強化を図っており、2023年度は、ISO取得基準を満たすための準備として、社内プロジェクトの発足、社内規定・情報システムマニュアルの作成を進めました。また、インドネシア工場においては、指紋認証システムを設置し、出退勤時に指紋認証によるID確認を行うことで不審者の侵入や外部への情報漏洩を防ぐなど、情報セキュリティの徹底に努めています。
当社は、2021年5月12日より、経済産業省の公的機関である独立行政法人情報処理推進機構(IPA) が実施している「SECURITY ACTION」において、一つ星を宣言いたします。
今後とも一層の情報セキュリティ対策に努めてまいります。
*「SECURITY ACTION」は中小企業自らが、情報セキュリティ対策に取り組むことを自己宣言する制度で、安全・安心なIT社会を実現するために創設されたものです。
リスクマネジメント
リスクマネジメント体制
ディ・エム・シーは企業としての継続性に大きな影響を与えるリスクを的確に認識し、リスクによる損失影響の最小化を図るため、リスクマネジメントを行っています。
毎年、各部門長が社内外における課題を明確にし、それらの課題に伴うリスクの特定および評価を行っています。各リスク評価に対する対策とその有効性評価は、リスクごとに設定した管理計画および目標に基づくモニタリングなどにより適正に管理しています。経営層は四半期に1回、それらの適正・妥当性・有効性を評価し、部門長と共有することで、実効性のあるリスクマネジメントを実現しています。インドネシア工場では、潜在的なリスクの洗い出しを実施し、洗い出したリスクの対応策を、全部門が参加する会議で、月1回の頻度で進捗報告を行い、リスク発生の未然防止に努めています。
BCP(事業継続計画)の取り組み
当社グループは緊急事態に備えてBCPを策定・運用し、「人命の安全確保」と「経営維持」に努めています。大規模災害の発生時においても、供給責任を果たして顧客からの信頼を守ることが、「地域経済の活力」と「従業員の雇用」を守ることにつながると認識し、電子部品の製造企業として、サプライチェーンを寸断することなく、事業継続することを基本方針としています。
緊急事態が発生した際は、代表取締役社長を責任者として、外部対応・復旧対応・財務管理・後方支援など各機能に対するサブリーダーを任命し、トップダウンによる指揮命令系統を確立するとともに情報収集・管理を確実に遂行できる組織体制を構築しています。
2023年度より、BCPマニュアルからBCP計画書への発展のため、項目別に通常業務および全般的な保全の内容を見直し・整備・維持を行っています。これらの取り組みにより、事前準備を効率化し、緊急事態での組織的な対応がスムーズに進められると考えています。
特に、生産拠点が国内3カ所、海外1カ所へ拡大したことにより、生産設備データの管理方法の見直しが必要となったため再構築を行い、BCPに必要な情報の追加を行っています。また、従業員連絡網の効率的な運用も行い、緊急時の対応を進めています。
また、2021年のインドネシア工場での洪水による浸水を受けて、工場周囲への外壁設置、建物の補修・保全や電源類の高さ調整などの工事を段階的に実施し、2023年以降は、年2回の防火防水の避難訓練を実施しています。
また、新型コロナウイルス感染症に限らず感染症への取り組みとして従業員とその家族の健康を守り、安定的な事業活動を継続すべく、国内外で感染対策を徹底してきました。引き続き、感染状況に応じた対応を展開するとともに、万一の場合を想定したリスクマネジメントで感染拡大防止に努めていきます。
今後も、従業員へのBCP教育と定期訓練、意見交換を通じたBCPの定着と維持・更新のしくみの構築に努めます。また他企業との意見交換によりBCPへの取り組み姿勢を高めるとともに、取引先や同業者、地域コミュニティとの連携で、効果的な事業計画の策定と運用体制の整備に尽力していきます。