タッチパネルサーフェスと印刷技術について
私たちが日常から目にする装置などのタッチパネルインターフェースは、以前は表面にベゼルの段差があるデザインが一般的でした。しかし、静電容量方式のタッチパネルが普及すると、表面にカバーガラスを付けて、ベゼルの段差がなくし、すっきりした見栄えでスタイリッシュにみえるフラットなデザインが主流になりました。
カバーガラスに加飾される印刷は、黒一色の場合が多いですが、企業やブランドのロゴを入れたり、ファンクションキーを印刷する場合もあります。こうしたカバーガラス加飾印刷の要望に対して、DMCは従来スクリーン印刷で対応してきましたが、新たにインクジェット印刷を導入することにより、複雑なデザインを提供できるようになりました。これにより、お客様は他社と差別化をはかれる意匠性の高いインターフェースを実現することができます。
スクリーン印刷
TOUCHSCREEN SOLUTIONS FOR HARSH OPERATING ENVIRONMENTS
スクリーン印刷は刷版でインクを転写する印刷方式です。印刷する領域にインクを通す穴があいた版にインクを流し込み、それをガラスに押し付けることでインクを転写します。印刷版の制作コストがかかるため、小ロットのみの需要には不向きですが、いったん刷版を制作すれば、安定して何度も印刷できます。高精細な印刷には不向きで、色ごとに刷版が必要になり、多色になるとコストが上がるため、シンプルで色数の少ないデザインに適しています。
インクジェット印刷のメリット
インクジェット印刷は、ガラスにインクを吹き付ける印刷方式です。色数を増やしてもコストは変わらず、高精細で複雑なデザインも対応できます。グラデーションカラーも含め、複数の色インクを組み合わせて様々な色を印刷できるため、オリジナリティのあるデザイン表現や、高級感の演出など、付加価値のあるデザインができます。例えば、一般的にタッチモニタのインターフェースデザインのベースは、黒やグレーなどの単色が多いですが、インクジェット印刷でカーボン調にすることにより、見た目に質感がプラスされ、重厚感、高級感を演出できます。
インクジェット印刷は刷版の制作が不要なため、スクリーン印刷と比べて試作のリードタイムが短く、小ロットの制作にも適しています。新たなデザイン検討において、複数案を準備するのにも短納期、リーズナブルなコストで対応可能です。
また、インターフェースには企業やブランドのロゴが印刷されることがありますが、ロゴの中にはグラデーションや微細な表現を採り入れたものもあります。インクジェット印刷では、こうした凝ったデザインのロゴも忠実に再現でき、コーポレートやブランドイメージを損ないません。