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野外使用におけるタッチパネル液晶の耐候性
タッチパネルはしばしば過酷な環境下で使用されるケースがあります。例えばスキー場で使用されるスノーガンや圧雪車に搭載されるタッチパネルはマイナス20℃以下の極寒にさらされることもあります。EV充電器や、屋外駐車場の精算機では太陽光が長時間タッチパネルにあたると表面温度が高温になりますし、紫外線の影響により短期間でタッチパネルや液晶が変色したり壊れてしまうケースもあります。

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また、水に濡れていると誤動作の原因となる静電容量方式タッチパネルは、雨が降る屋外での使用や、厨房機器やウォータージェット加工機など周囲に水のある環境では注意が必要です。その他にも、公共の場に設置される端末は乱暴に扱われたり、工場の作業現場では予期せぬ衝撃を受けるかもしれません。
人が触れて操作するタッチパネルは機器の最表面に搭載されることがほとんどなので、こういった外部の影響を直接的に受けてしまいます。その為、使用環境によって適切なタッチパネルの選定やインターフェースの設計が必要になります。
DMCのガラス構造投影型静電容量タッチパネルは広い使用温度範囲や紫外線を吸収特性、また水誤動作防止機能など、様々な使用環境に対応した特性や機能を兼ね備えています。
産業用ガラス構造の投影型静電容量タッチパネル
INDUSTRIAL GRADE GLASS STRUCTURE PCAP TOUCHSCREEN

DMCのガラス構造 投影型静電容量タッチパネル「DUS-Aシリーズ」は、1.厚のガラスを2枚貼り合わせた構造になっており、中間にセンシング用の電極があります。通常はタッチパネルの上に1~3mm厚程度の強化ガラスをカバーガラスとして貼って使用されることが多いです。
DUS-Aシリーズはこのように合わせガラスにすることで、堅牢性の高い構造になっています。また、同じくセンサ部ガラス2枚構造で上部/下部ガラスに0.55mm厚の薄ガラスを採用したDFSシリーズも展開中です。
紫外線吸収特性
ガラス構造 投影型静電容量タッチパネルのガラスとガラスを貼り合わせている接着層には紫外線を吸収する材料を使用しており、タッチパネルの下にある液晶に対する紫外線の影響を低減する効果があります。屋外施設の操作端末には、紫外線吸収特性を持ったDMCのガラス構造 投影型静電容量タッチパネルがおすすめです。
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水誤動作防止機能
投影型静電容量方式はタッチパネルに水が付いていると、タッチした箇所とは別の場所が入力されるなどの誤動作が発生することがあります。DMCの投影型静電容量方式タッチパネルコントローラDUSx200シリーズはパネル上の水を検知してアラームを出し、水が拭き取られるまで座標出力を止める、または1点に制限するなど、誤動作防止機能を追加することができます。建設現場で使用するモバイル端末などの雨に濡れるような使用環境の産業機器向けに適したソリューションです。
※水がかかるような環境では、このようにパネルに水がついても誤動作を防ぐソリューションの検討や、装置の内部に水分が侵入して故障の原因とならないように、防水構造の筐体設計が必用になります。
耐衝撃ソリューション
投影型静電容量法式のタッチパネルコントローラは、感度を上げることでガラスや透明樹脂カバー越しにタッチを検出することができます。これを利用して、タッチパネルの前にガラスよりも割れにくい透明樹脂のカバーをギャップを設けて設置することで、衝撃に強いインターフェースを構築できます。しかしカバーが厚いほど高い感度が必用となり、ガラスに比べて透明樹脂や空気(ギャップ)は誘電率が低いため、さらに大きな感度が必用になります。一方で、感度を上げすぎると周辺ノイズの影響を受けやすくなるという欠点もあります。