抵抗膜方式タッチパネルの検出原理
ターミナル端末や医療・美容機器、業務用途や産業機器など、様々なシステムでタッチ操作を行う上で必要不可欠なタッチパネルは現代の生活に深く根付いています。こちらでは産業用途においてさまざまな分野に導入されている抵抗膜方式タッチパネルの検出原理を解説しています。
アナログ4線式シングルタッチの検出
4線式抵抗膜方式アナログタッチパネルは、透明導電膜が設けられた素材(主にPETフィルムやガラス)を透明導電膜間が向い合う方向に貼り合わせ、指或いはペンで押した時透明導電膜同士が接触することによってタッチパネル入力が行われます。この上下に向い合った素材は一方でX座標回路を構成し、もう一方でY座標回路を構成します。
X座標測定時、上部基板のX座標軸の電極に、一方をVcc、もう一方の電極をグランド(GND)とし電圧を供給します※。この状態でタッチパネルを入力(押下)すると上部基板と下部基板が接触し入力した点(xl)のX座標抵抗膜の電圧値が下部基板で検出されます(A_in)。この電圧値はVcc側では大きくなり、E点ではA_in= Vccとなります。GND側では検出電圧値は小さくなり、A点ではA_in= 0V※となります。このA_inの電圧値からA/D変換を行い、座標データを算出します。
次に下部基板のY座標軸の電極に電圧を供給し上部電極でY座標を測定し、これらを交互に繰り返すことにより入力点の座標値を決定します。※コントローラ回路、タッチパネル内に於ける損失を除く。現実には回路中で損失が発生する為、実際の電圧検出幅はVcc - GNDより小さくなります。
アナログ4線式マルチタッチの検出
タッチ検出範囲(15×12分割の例)
1枚のタッチパネルを縦方向と横方向の「セル」に分割し、それぞれのセル上のタッチ入力情報を検出する事によって2点押しの座標値取得を行います。1つのセルが、1枚の4線式抵抗膜タッチパネルと同様の機能を果たします。画像の例では、合計180枚の小さいタッチパネルが展開され、1枚のタッチパネルを形成するようになります。
同一セル内の2点押下
4線式タッチパネルと同様に、1つのセル内については、同時に1か所のタッチしか認識できません。 基本は同一セル内での2点押下は正確にはできませんが、同一セル内の多点押下が起こった場合、どちらの入力点とも離れた1点の入力として概ねその中間点が出力されます。
アナログ5線式シングルタッチの検出
5線式抵抗膜方式タッチパネルは、透明導電膜が設けられた素材(主にPETフィルムやガラス)を透明導電膜間が向い合う方向に貼り合わせ、指或いはペンで押した時、透明導電膜同士が接触することによってタッチパネル入力が行われます。この上下に向い合った素材は、一方でX/Y平面座標回路を構成し、もう一方で検出回路を構成します。
X座標測定時、下部基板のX軸座標軸の電極に、一方をVcc、もう一方の電極をグランド(GND)とし電圧を供給します※。この状態でタッチパネルを入力(押下)すると上部基板と下部基板が接触し入力した点(xl)のX座標抵抗膜の電圧が上部基板で検出されます(A_in)。この電圧値はVcc側で大きくなり、E点ではA_in= Vccとなります。グランド電極側では検出電圧値は小さくなり、A点ではA_in= 0V※となります。このA_inの電圧値からA/D変換を行い、座標データを算出します。
同様にY座標軸に電圧を印加しY座標を測定し、これらを交互に繰り返すことにより入力点の座標値を決定します。※コントローラ回路、タッチパネル内に於ける損失を除く。現実には回路中で損失が発生する為、実際の電圧検出幅はVcc - GNDより小さくなります。
- 抵抗膜方式の仕組み
- 抵抗膜方式の特長
- 抵抗膜方式の検出原理
- 抵抗膜方式の構造